<< プロローグ 1 | main | 修学旅行 1 >>
スポンサーサイト

一定期間更新がないため広告を表示しています

| - | | - | - |
プロローグ 2
 「どこかに出かけてみたいね」。その言葉は、他愛のない不満の代替用語でしかなかったが、二人の想いが一つの言葉で確認できたとき、希望に転換され、現実へと昇華した。
 冒険心や探求心に駆られた旅ではないので、旅先はどこでも良かった。だが、単調な毎日から逃げ出すこともなく、落第の恐怖に自主休講すら出来ないような品行方正な学生そのものの私たちには、見たことも行ったこともない場所にでかけようなどという無謀を冒すこともできなかった。結局、高校時代の修学旅行で訪れた地を再訪することに決まった。何のことはない、二人にとってこれまでの人生で唯一の旅行らしい旅行であったからだ。
 あの時、私たちは、日常からの逃避と未知への挑戦気分であった。修学旅行中特に感傷に浸るような出来事が発生したわけでもなかったが、「これは、センチメンタル・ジャーニーだ。」などと、訳のわからないことを口走ったりもした。松本伊代が微笑んだ。
| 臥牛蝦夷日記 | 22:31 | comments(0) | trackbacks(0) |
スポンサーサイト
| - | 22:31 | - | - |
コメント
コメントする









この記事のトラックバックURL
http://gagyu-ezo.jugem.jp/trackback/154
トラックバック