特に意図したわけではないが、幾度か神戸を再訪することになる。'77の旅以後も、'95の震災以前に3度、震災後の'99に一度。道外では、東京に次いで訪問回数が多い街である。
'76の旅で垂水に2泊した。その時、国鉄のストライキで訪ねることができなかった北野の異人館巡りには何故かこの年も行ってない。似合わない美術館など回っているのに・・・。
幾度目かの訪問で、北野の異人館巡りもした。六甲山にケーブルカーで登って、夜景も堪能した。
山手通沿いのレストランで神戸牛のステーキも食った。大きな皿に薄っぺらい焼き肉がのっかって、ステーキのイメージとなんか違って、妙に安っぽい感じのするステーキが出てきたものだと思ったが、美味かった。
三宮の駅北の飲食店街では、やたらと「ラウンジ○○」の看板が目立っていた。「ラウンジ○○」がどういうクラスの店か分からなかったので、試しに1軒ドアを開けて内部をのぞき込んでみた。東でいう「クラブ○○」の室内であった。分不相応と退散しようとしたら、中から出てきたお兄さんが
「幾らで飲みたいの?」と尋ねる。
「*****/人・・・」
「それじゃ、うちじゃ無理だね。」
「はい、失礼しました。ラウンジの意味が分からなくて・・・。」
「どちらからおいででした?・・・北海道?・・・遠いところから・・・、黙って返すのも忍びないので、知り合いのスナック紹介しますよ。」
という、会話があって、一晩、楽しく飲ませてもらったこともあった。−だから、旅は、楽しい。(^o^)−
震災後、4年経って訪ねた神戸は、所々に爪痕を残していたものの、見事に復興を遂げていた。多くの人たちが犠牲になったが、神戸の人たちはたくましく立ち上がり、再訪した私を暖かく迎えてくれた。
大都会ではあるが、山も海をあり、北野や旧居留地区、灘の酒造街など歴史あるものを大切にしながら暮らしている人たちがいる街は、幾度訪ねても、心休まる。
上下6車線もある大きな通りを、赤信号を物ともせずに車列の間を走り抜けていく人たちが暮らす街でもある。